てんかんとは?発作などの症状・原因

てんかんとは脳の障害や傷がつくこと、脳神経が異常を起こすことによって起こる慢性的な脳の病気です。
日本では約100~200人に1人が発症しており、生まれつき脳に障害がある場合や出産時に脳を損傷してしまった場合、乳幼児期に怪我をしてしまった場合などが原因となるとされています。
てんかんの症状は繰り返し発作を起こす病気で、原因は主に2つに分類され、症候性てんかん、特発性てんかんと呼ばれます。
- 症候性てんかん
症候性てんかんの原因は生まれつき脳に病気があったり出生時に脳に傷がついてしまった、頭部に怪我をした場合等てんかんの原因が脳内に確認できるてんかんのこととなります。 - 特発性てんかん
特発性てんかんの原因は様々な検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかんで、小児期~若年期に発病することが多く、25歳以上の発病は非常に少ないといわれています。
発作を繰り返すてんかんという病気

発作によるてんかんの症状として主に、脱力や意識を失ったり、意味不明な行動を起こす、手足や体全体が痙攣を起こす等が挙げられます。
てんかんの発症には年齢や性別は関係なく、10代以下から90代まで、誰にでも、てんかんの発作が発症する可能性があります。
発作には全般発作と部分発作という2つの症状に分類することができます。
発作が起こるきっかけや前触れはあるの?
てんかんの症状が起こる前兆(オーラ)というのがあり、主に発作する前に自覚症状が現れることを指します。
前兆が起こる症状は人によって異なりますが、体温の変化や手足のしびれ等の身体的な症状、めまい、幻聴、漠然とした不安や突然のパニック、甘い、苦い、酸っぱい味がする嗅覚の症状、異様の匂いの嗅覚症状、などが現れることがあります。
自分で判断をすると他の病気となかなか区別が付かないので、前兆時や発作時の対応としては前もって医師に症状の内容を話すことで症状が特定しやすくなります。
症候性・突発性、それぞれのてんかんの原因
てんかんの原因は上記で記述しましたが、症候性てんかんと特発性てんかんの2つに分類されます。 これらの特徴をご紹介します。

脳にできる場所では頭頂葉、前頭葉、側頭葉、後頭葉この四つに分類されます。
人間の脳には神経細胞(ニューロン)で電気信号を発生させ、他の細胞に情報を送ります。
この神経細胞がなんらかの要因で乱れることにより発作が繰り返し起こる仕組みです。
子供のころに発症する場合は生まれつき脳の病気か、出産時に外的要因により脳が傷ついて発症する場合もあります。
また、事故などで頭部にケガをした場合、その後の後遺症として発症する場合もあります。
高齢になってからのてんかんは脳血管障害、アルツハイマー病、脳腫瘍などの発症によっててんかんが発症します。
症状としては全般発作と部分発作に分類されます。
全般発作は大脳の両側など幅広い所で過剰な興奮を起こることで発作が起こります。
- 強直間代発作
突発的に発症して強直発作と間代発作をおこします。発作は1分以内で治まりますがその後、意識がはっきりとしなくなります。自然睡眠と言われる約30分から1時間くらいの眠りになることがあります。
※(強直発作)手足を伸ばしたまま全身が硬直、意識を失い呼吸が止まることもあります。数秒から数十秒続きます。
※(間代発作)手や足がガクガクと一定時間振動するけいれんが起こります。数十秒から数分続くこともあります。 - 欠神発作
約数十秒の間、意識が突然遠のいて動作が停止します。主に小児の女の子によく見られます。 - ミオクロニー発作
手足または全身など一部分が一瞬の間、筋肉が動く発作のことです。1回また数回連続で起こります。立っていたり、歩いていると転倒する場合があります。 - 脱力発作
全身の筋肉がゆるんでしまい、崩れるように倒れてしまいます。
部分発作は脳の一部分が過剰に興奮することで発作します。子供よりも大人が発症しやすいのが特徴です
- 単純部分発作
特徴としては発症者自身の意識がはっきりしていることです。発症の前後全てを覚えています。過剰に興奮する部位によってけいれんを起こす、体のバランスが取れないで、片方に引っ張られるような感覚、手や足がつっぱった感じがする、聴覚や視覚に異常が起こる、頭痛や吐き気など様々です。ほとんどは発症後10分以内には治まるでしょう。 - 複雑部分発作
複雑部分は単純部分と違い意識が少しずつ遠のいていき、脳の側頭葉の部分が異常を起こし、動きがフリーズする状態が起こります。目的の明確性がない動きを繰り返したり、食べているかのように口をもぐもぐ動かします。発症後、約5分以内には治まるでしょう。 - 二次性全般化発作
初期では部分発作でしたが時間経過で全体的に発作が現れるのが特徴です。また、発症の前に前兆が見受けられて意識が失います。
小児てんかんの特徴と発症年齢について
小児によるてんかんは決して少なくはありません。 まず小児という年齢は0歳~15歳のことを指します。 発症としては1歳までが多くて、思春期までに発症するとされています。 小児に多いてんかんの特徴と年齢についてご紹介いたします。
- 良性小児てんかん
就寝時や寝起き時に唇や顔がしびれたりピクピクした痙攣が起こります。
その後に全身が痙攣することがあり、数分あれば症状が収まります。
その他によだれが過剰に出てしまうのが挙げられます。
発症時期としては生後18ヶ月から13歳の乳児期から思春期に年齢が発症します。
またこの良性小児てんかんは短時間の発作であるということです。
ある程度の年齢を過ぎると自然に治るのが特徴です。 - 若年ミオクロニーてんかん
ミオクロニー発作が起こりやすいのが特徴です。
ミオクロニー発作とは全身や手足など、一部分が突発的に電流が走ったように筋肉がビクンと収縮する、大脳にてんかん性の異常をきたす発作です。
発症時期としては11歳から16歳の思春期に多く発症するといわれています。
起床後や就寝中に起こりやすくて、手に持っている物を落としたり、物を投げ飛ばすこともあります。
光過敏性になることが多くて、テレビなどの強い光が原因で、てんかんの発作が起こる場合があるのでテレビなどは離れて見るなど予防しましょう。 - 小児欠神てんかん
欠神発作が起こり、主に1日に数回から数十回起こります。
欠神発作の特徴としては数秒~数十秒の間、意識がなくなる発作で、その後突発的に終わります。
他のてんかんとは異なり倒れたり、けいれんなどを起こらないので、周りから見たら集中力がないなど誤解されて、発作が分かりにくいです。
発症時期としては4歳から11歳の幼児期から学童期に多く発症し、男児より女児のほうが多いのが特徴です。 - ウエスト症候群
別名、(点頭てんかん)とも呼ばれ、主に腕を上向きに伸ばし頭がカクカクとけいれんを起こします。
発作時には意識がはっきりしていて、数秒の間に一回または数十回の間隔で発作が起こります。
発症時期としては生後3ヶ月から6ヶ月の乳幼児期の頃に多いです。
近年問題となっているてんかん発作と自動車運転事故
近年のてんかん患者による自動車交通事故が問題視されています。
2002年の道路交通法の改正で条件付きですが、てんかん患者も運転免許が取得可能になりました。
条件の内容としては、意識障害を起こさない、約2年間発作が一度も起こらず医師が今後発作する恐れがないと判断した場合や、発作が睡眠中のみ起こる、大型や中型や第2種免許の取得は未治療で5年以上発作が起こらない、等々あるので、詳しくは主治医と相談するといいでしょう。
また、2014年に道路交通法が一部改正されて、てんかん患者で運転免許を持っていることを医師が知ったときには、診察結果を公安委員会に届けることが可能になりました。
その他にも、てんかんを発症しているにもかかわらず虚偽の申告を行った場合の罰金、てんかんの病気に疑いがあると3ヶ月を限度で運転免許を停止できる、等々あります。
てんかんは遺伝する?
てんかんの原因は大きく症候性てんかんと特発性てんかんに分かれますが、特発性てんかんと遺伝は関係があるとされていますが、現在まで詳しい原因が解明されていない状況です。 最近では新潟大学が、てんかんや小頭症に伴う重度の発達障害患者が持っている遺伝子解析を行った結果、重度発達障害がたんぱく質修飾活性化酵素(UBA5)というコードが遺伝子の変異によるものという研究結果が発表されたというものもあります。
てんかんの治療と薬

てんかん治療には主に(抗てんかん薬)の方法と(外科治療)この二つの方法が挙げられます。
てんかんは脳が異常に興奮している状態を指し、抗てんかん薬を使って大脳など異常興奮を抑制させ、てんかん発作を起こさせないようにします。
発作が起きている状態の時には薬を飲み続けなければいけません。
現在、日本で処方される抗てんかん薬は多くの種類があるので、検査で発作のタイプを調べて性別、年齢、現在他の病気で薬を服用している、などを加味した上でその人に合った最適な抗てんかん薬を選ぶことが重要になってきます。
また、抗てんかん薬には分類すると「脳の興奮を抑える」、「脳による興奮の広がりを抑える」、この二つに分類することができます。
脳の興奮を抑える薬として挙げられるのは、
ゾニサミド・カルバマゼピン・ラモトリギン・フェニトイン・バルプロ酸、等々。
一方、脳による興奮の広がりを抑える薬として挙げられるのは、
クロナゼパム・クロバザム・ジアゼパム・ガバペンチン、等々。
その他にも従来の抗てんかん薬とは違う効果作用があるレベチラセタムがあります。
服用期間ですが、いつまで服用していればいいのかは明確な基準がありません。
現在、目安としては最後の発作後、約2年から4年の間に一回も発作が起こっていない、また、脳波による異常が約2年以上見られない場合は、薬の服用を止めた方が良いとされています。
しかし、決して自分では判断せず、主治医と相談して徐々に薬の量を減らすなどしなければなりません。
また、抗てんかん薬の中には保険適応外の薬があるので、高い治療費が生活を圧迫させている方、病院に行く時間がない方等もいるでしょう。
そんな時にはネット通販を利用する方法があります。
ネット通販のメリットは診察料や処方箋料がかからず、家にいながら治療薬の代金のみで薬を購入できることです。
そのため、自分に合った抗てんかん薬を見つけたら、通販サイトで薬を購入する方が長期的な治療を考える上で良いでしょう。
小児の難治性てんかんは脳の成長に影響を及ぼすので、外科的治療の優先度が高いと言えるでしょう。
てんかんの外科的手術は高度な知識が不可欠なので専門の設備があり、専門知識と経験がある医師が在籍している病院で治療するのが必要です。